「論究から考究へ」 

 

 NHKの「100de名著」の番組で、西田幾多郎の「善の研究」を見た。この本は、過去に手に取ってみたが、難解な第1編「純粋経験」の途中で読むのを挫折した経験がある。 

 

 これを契機に、解説者の若松英輔のNHKテキスト「善の研究」を読み、西田の本を第4編「宗教」から逆に読み進めている。 

 

 善の研究は、上記に加え、第2編「実在」、第3編「善」について述べられている。 

「実在」と「純粋経験」が西田哲学の根本問題で、これらを「考究」することがこの本の中核的問題であるそうである。 

 

 世界がどう存在しているかのという認識と、人はどう生きるかという人生観が交わったところに哲学のはじまりがある。それは、私たちを道徳のみならず宗教の世界まで導く。そのとき人は、考えられた真実ではなく、生きられ、体得され、体現される真実を強く望むようになる。これが西田の言う「考究」する態度です。 

 

 哲学者でない私たちは、「論究」することから始めるのがよい。私たちの問題を「論じる」ことを通じて、西田が究めようとした「考究」に近づけることができるという。 

 

 「論究」するためには、詩やエッセイ、小説といった決まった形でなくてもよいとのこと。西田がそうしたように、以下の項目で、自分の経験、思いを言葉にしていきたい。 

 

  ・私の故郷 

  ・私の第二の故郷 

  ・私の仕事 

  ・私の趣味 

  ・私の家族 

  ・私の今、今後 

  ・私の友人 

  ・私の地域活動 

  ・私の提案・意見

  ・その他 

 

   100de名著 「善の研究」 201910Eテレ・テキスト 若松英輔 

   善の研究 西田幾多郎 岩波新書

③ 倉田百三 愛と認識との出発

       「善の研究」をここで紹介し、世間にこの書籍を広めさせた。

        その内容は、「愛と認識との出発」をクリックしてください。